目次
就労ビザ(就労資格)は19種類
ビザ(査証)と在留資格の違いとは
こちらの記事コラムでは、在留資格の中でも就労資格の種類とその概要を紹介していきますが、一般的に使用されている就労ビザという呼称を用いて解説していきます。
ビザ(査証)とは
行きたい国の「入国許可証」みたいなもので、その国の政府が発行します。
行きたい国に行く前に、母国で取得します。
ビザ(査証)が無いと、原則その国に入国出来ません。
取得のための入力項目は、パスポート情報やその国での滞在先住所などがあります。
在留資格とは
その国で、「どんな目的で滞在できるか」を示すものです。
遊園地に例えてみます。
ビザ(査証)は、遊園地の入場券のようなもので、遊園地に入れるか入れないかを決めます。
在留資格は、遊園地の中でどんな乗り物に乗れるかを決めるリストバンドのようなものです。
例えば、学習のための在留資格は「勉強用リストバンド」で、働くための在留資格は「仕事用リストバンド」という感じです。
日本の在留資格の取得は手続きが複雑なことが多いため、我々専門家がおります。
補足・クレジットカードのビザ(VISA)とは
クレジットカードを作っている会社の名前です。
銀行やカード会社が発行する、現金ですぐに払わなくても買い物ができるカードで、名前が同じでもビザ(査証)とは全く違うものです。
なぜ、ビザは在留資格を指していることが一般的なのか?
全ての国がビザ(査証)と在留資格(滞在中の活動目的)を明確に区別しておらず、多くの国ではビザ(査証)の種類自体が滞在中の活動目的や許可される活動を示していることから、ビザと呼ぶことが一般的になったと考えられます。
日本のように明確にビザ(査証)と在留資格を区別している国は比較的少数のようです。
ビザ(査証)と在留資格を一体化している国の例
・アメリカ
・カナダ
・オーストラリア
・多くのEU諸国
ビザ(査証)と在留資格を明確に区別している国の例
・日本
・韓国
・台湾
在留資格は全部で29種類
日本に在留したい外国人に対する在留資格(以下「ビザ」という)は、2024年7月執筆時点で29種類となっております。
<参考サイト>
在留資格一覧表(出入国在留管理庁ホームページ – 法務省)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/qaq5.html
ビザ(在留資格)29種類のうち就労ビザ(就労資格)は19種類
ビザの中でも就労資格(以下「就労ビザ」という)は保持者の多い順に、以下の19種類があります。
就労ビザの種類 保持者の多い順
①技能実習 358,159名
②技術・人文知識・国際業務 346,116名
③特定技能 173,101名
④技能 40,631名
⑤経営・管理 35,061名
⑥高度専門職 20,877名
⑦企業内転勤 14,677名
⑧教育 13,600名
⑨介護 8,093名
⑩教授 7,292名
⑪宗教 3,992名
⑫医療 2,564名
⑬興行 2,438名
⑭研究 1,335名
⑮芸術 550名
⑯報道 209名
⑰法律・会計業務 153名
⑱外交 人数の記載無し
⑲公用 人数の記載無し
就労ビザでなくても就労できるビザがある?
「業務限定」就労可能資格と「無制限」就労可能資格
就労ができるビザは「業務限定」就労可能資格と「無制限」就労可能資格の2つに分類できます。
19種類の就労ビザは、名称からも連想できる通り、「業務限定」就労可能資格(以下「就労ビザ」という)に該当します。
しかし、就労ビザでなくても、就労可能なビザがあり、保持者の多い順に以下の4種類があります。
業務を限定されることなく就労が可能なため、「無制限」就労可能資格(以下「無制限就労可能ビザ」という)に該当します。
無制限就労可能ビザの種類 保持者の多い順
①永住者 880,178名
※特別永住者 284,807名
②定住者 211,561名
③日本人の配偶者等 147,058名
④永住者の配偶者等 49,059名
※特別永住者は厳密にはビザではありませんが、無制限就労が可能という観点から記載しております。
<参考サイト>
統計表 国籍・地域別 在留資格(在留目的)別 在留外国人
(e-Stat政府統計ポータルサイト 調査年月2023年6月 公開日2023年12月15日)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250012&tstat=000001018034&cycle=1&year=20230&month=12040606&tclass1=000001060399&result_back=1&tclass2val=0
補足・就労不能資格とは
ビザは全体で29種類、うち就労ビザは19種類、無制限就労可能ビザは4種類とお伝えしました。残り6種類のビザは、就労不能資格(以下「就労不能ビザ」という)に分類され、それぞれ「留学」、「研修」、「家族滞在」、「文化活動」、「短期滞在」、一部の「特定活動」が該当します。
この記事コラムでは、就労ビザと無制限就労可能ビザについて触れていきます。
「上陸許可基準適合性」とは?
「上陸許可基準適合性」は、より厳格な審査が必要とするビザに対して適用
ビザは、さらに「上陸許可基準適合性」の適用が必要なケースと不要なケースに分類されます。
しかし、上陸許可基準という言葉は、なかなかピンとこないのではないでしょうか。
ビザの種類によって適用させる上陸の許可基準が異なりますので、全てのビザに当てはまる必要はなく、上陸許可基準の中でもイメージしやすいものを端的に挙げてみます。
要件 上陸許可基準の例
学歴 一定以上の学歴があること
実務経験 一定以上の実務経験があること
業務内容 外国人ならではの思考や感受性を必要とする業務であること
報酬額 日本人と同等額以上の報酬、給与を受けること
などがあり、これらの基準に適合しているかを審査の際に適用させるビザと、そうでないビザがあるわけです。
実際には、より詳細に上陸許可基準が定められていますが、1つのビザに対し、より詳しい解説を別途1つの記事コラムとして掲載しております。
ここでは、こういったことが上陸許可基準の例なのだという簡単なイメージを掴んでいただけたらと思います。
上陸許可基準適合性が適用される就労ビザ
「技能実習」、「技術・人文知識・国際業務」、「特定技能」、「技能」、「経営・管理」、「高度専門職1号」、「企業内転勤」、「教育」、「介護」、「医療」、「興行」、「研究」、「法律・会計業務」が該当します。
上陸許可基準適合性の適用が不要とされる就労ビザ
「教授」、「宗教」、「高度専門職2号」、「芸術」、「報道」、「外交」、「公用」が該当します。
これらは、その性質上、既に厳格な審査や選考プロセスを経ている点、高度な専門知識やスキルがある点などから日本社会に大きな貢献をもたらす可能性が高いため、追加の上陸許可基準適合性審査の省略の対象と考えられます。
就労可能資格の分類表
【就労可能資格の分類】
在留資格等(特別永住者は在留資格ではないため「等」と記載) | ||
就労可能資格 | ||
業務限定就労可能資格 | 無制限就労可能資格 | |
上陸許可基準適合性あり | 上陸許可基準適合性なし | 永住者 特別永住者 定住者 日本人の配偶者等 永住者の配偶者等 (いずれも就労資格ではないが、業務を限定されることなく就労が可能) (特別永住者は在留資格ではない法的地位) |
1 技能実習 2 技術・人文知識・国際業務 3 特定技能 4 技能 5 経営・管理 ※6 高度専門職1号 7 企業内転勤 8 教育 9 介護 10 医療 11 興行 12 研究 13 法律・会計業務 |
14 教授 15 宗教 ※6 高度専門職2号 16 芸術 17 報道 18 外交 19 公用 一部の「特定活動」 |
・1~19が就労ビザに該当
・各分類内で、保持者の多い順に記載
・※高度専門職は1号と2号があるが、高度専門職として1種類でカウント
・上記の分類表は参考書籍P875を一部抜粋
<参考書籍>
詳説 入管法と外国人労務管理・監査の実務-入管・労働法令、内部審査基準、実務運用、裁判例-〔第3版〕著/山脇康嗣(弁護士)
新日本法規WEBサイト
https://www.sn-hoki.co.jp/shop/item/5100236
各就労ビザ等において、可能な活動内容、該当例、在留期間は?
各就労ビザ等の活動内容、その該当例(職業の例)、在留期間等
出入国在留管理庁Webサイトの在留資格一覧表を参考に、在留資格・該当例・在留期間等を見ていきます。
<参考サイト>
在留資格一覧表(出入国在留管理庁ホームページ – 法務省)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/qaq5.html
なお、「外交」、「公用」、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」の在留資格一覧表に関しては、省略しています。
下記の(居住資格)は、この表の次に載せている(就労資格)のように
「本邦において行うことができる活動」は問題にならず、無制限就労可能ビザとなります。
(居住資格)入管法別表第二の上欄の在留資格
在留資格 | 本邦において有する身分または地位 | 該当例 | 在留期間 |
---|---|---|---|
永住者 | 法務大臣が永住を認める者 | 法務大臣から永住の許可を受けた者(入管特例法の「特別永住者」を除く。) | 無期限 |
日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者 | 日本人の配偶者・子・特別養子 | 5年,3年,1年又は6月 |
永住者の配偶者等 | 永住者等の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者 | 永住者・特別永住者の配偶者及び本邦で出生し引き続き在留している子 | 5年,3年,1年又は6月 |
定住者 | 法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者 | 第三国定住難民,日系3世,中国残留邦人等 | 5年,3年,1年,6月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲) |
注)特別永住者 | 「特別永住者」は厳密には在留資格ではないため、入管の在留資格一覧表に記載はありませんが、無制限就労が可能なことを見やすくするため追記しております。 |
(就労資格,上陸許可基準の適用あり)二の表
在留資格 | 本邦において行うことができる活動 | 該当例 | 在留期間 | |
---|---|---|---|---|
高度専門職 | 1号 高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって,我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの |
イ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動 | ポイント制による高度人材 | 5年 |
高度専門職 | 1号 高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって,我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの |
イ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動 | ポイント制による高度人材 | 5年 |
ロ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 | ||||
ハ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 | ||||
2号 1号に掲げる活動を行った者であって,その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う次に掲げる活動 |
イ 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導又は教育をする活動 | 無期限 | ||
ロ 本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動 | ||||
ハ 本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動 | ||||
ニ 2号イからハまでのいずれかの活動と併せて行う一の表の教授,芸術,宗教,報道の項に掲げる活動又はこの表の法律・会計業務,医療,教育,技術・人文知識・国際業務,介護,興行,技能,特定技能2号の項に掲げる活動(2号イからハまでのいずれかに該当する活動を除く。) | ||||
経営・管理 | 本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。) | 企業等の経営者・管理者 | 5年,3年,1年,6月,4月又は3月 | |
法律・会計業務 | 外国法事務弁護士,外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動 | 弁護士,公認会計士等 | 5年,3年,1年又は3月 | |
医療 | 医師,歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動 | 医師,歯科医師,看護師 | 5年,3年,1年又は3月 | |
研究 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動(一の表の教授の項に掲げる活動を除く。) | 政府関係機関や私企業等の研究者 | 5年,3年,1年又は3月 | |
教育 | 本邦の小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動 | 中学校・高等学校等の語学教師等 | 5年,3年,1年又は3月 | |
技術・人文知識・国際業務 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授,芸術,報道の項に掲げる活動,この表の経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,企業内転勤,介護,興行の項に掲げる活動を除く。) | 機械工学等の技術者,通訳,デザイナー,私企業の語学教師,マーケティング業務従事者等 | 5年,3年,1年又は3月 | |
企業内転勤 | 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動 | 外国の事業所からの転勤者 | 5年,3年,1年又は3月 | |
介護 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動 | 介護福祉士 | 5年,3年,1年又は3月 | |
興行 | 演劇,演芸,演奏,スポーツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(この表の経営・管理の項に掲げる活動を除く。) | 俳優,歌手,ダンサー,プロスポーツ選手等 | 3年,1年,6月,3月又は30日 | |
技能 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動 | 外国料理の調理師,スポーツ指導者,航空機の操縦者,貴金属等の加工職人等 | 5年,3年,1年又は3月 | |
特定技能 | 1号 | 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約(入管法第2条の5第1項から第4項までの規定に適合するものに限る。次号において同じ。)に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。同号において同じ。)であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動 | 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人 | 法務大臣が個々に指定する期間(1年を超えない範囲) |
2号 | 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動 | 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人 | 3年,1年又は6月 | |
技能実習 | 1号 | イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第一号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動 | 技能実習生 | 法務大臣が個々に指定する期間(1年を超えない範囲) |
ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第一号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動 | ||||
2号 | イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第二号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 | 法務大臣が個々に指定する期間(2年を超えない範囲) | ||
ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第二号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 | ||||
3号 | イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第三号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 | 法務大臣が個々に指定する期間(2年を超えない範囲) | ||
ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第三号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 |
就労ビザの名称に似た言葉があるけれど、その違いとは?
在留資格一覧表を見ていただきましたが、「技術・人文知識・国際業務」の「技術」、「特定技能」、「技能」、「技能実習」など、名称が似ているため違いを簡潔に解説します。
・「技術」と「技能」の区別
「技術」 → 一定事項について学術上の素養等の条件を含めて理論を実際に応用して処理する能力
「技能」 → 一定事項について主として個人が自己の経験の集積によって有している能力
・「技術・人文知識・国際業務」の「技術」の説明と職業の例
情報工学の技術 → システムエンジニア、プログラマー
航空宇宙工学の技術 → 航空機整備士
設計・開発の技術 → 精密機械器具や土木・建設機械等の設計者、開発者
・「特定技能」の説明と職業の例
特定産業分野(人手不足分野)に属する技能 → ビルクリーニング従事者、飲食店従事者
・「技能」の説明と職業の例
日本にて特殊な料理の調理や食品の製造に係る熟練した技能 → 外国料理店のコック・パティシエ
日本には無い建築、土木に関する技能 → 外国様式の建築物の建築技能者
・「技能実習」の説明と職業の例
外国人の母国で修得等が困難な技能 → 婦人子供服製造の実習生、農業・漁業関係の実習生
詳しくは別の記事コラムの、
「技術・人文知識・国際業務ビザとは?申請の要件やポイントを法律事務所が解説」、
「特定技能ビザの申請について、取得の要件とポイントを法律事務所が解説」、
「技能ビザの在留資格の申請ポイント、外国人の就労ビザに強い法律事務所が解説」にてお伝えいたします。
一部の就労ビザには分類と区分が設けられている
在留資格一覧表の項目「本邦において行うことができる活動」をよく見ていただくと、下記のように1号、2号・・・と分類され、さらに分類からイ、ロ、ハ・・・と区分されている就労ビザが3種類ほどあります。
これらの分類・区分は、活動内容、滞在期間、必要な技能レベル、受入れ形態などによって分けられていて、在留期間や認められる活動範囲、必要な試験や条件が変わってきます。
就労ビザの種類 分類・区分
・高度専門職 1号イ 1号ロ 1号ハ
2号イ 2号ロ 2号ハ 2号ニ
・特定技能 1号 2号
・技能実習 1号イ 1号ロ
2号イ 2号ロ
3号イ 3号ロ
高度専門職にはどんなものがあるのでしょう。
具体的な職業名は明示されていませんが、高度専門職ビザに該当する可能性が高い職業としては
医師、弁護士(外国法事務弁護士を含む)、経営コンサルタントなどがあります。
特に注目したい高度専門職と特定技能について、詳しくは別の記事コラムの、
「外国人の高度専門職ビザとは?ポイント制や条件など、高度人材の申請に詳しい法律事務所が解説」や
「特定技能ビザの申請について、取得の要件とポイントを法律事務所が解説」にてお伝えいたします。
就労ビザは19種類と言っていたけれど、本当はもっとある!?
「特定活動」ビザとは
ビザの一つに「特定活動」ビザというものがあります。
「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」として数十種類あり、就労可能なものと就労不能なものがあり、多岐にわたります。
<参考サイト>
在留資格「特定活動」(出入国在留管理庁ホームページ – 法務省)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities.html
在留資格「特定活動」
この在留資格に該当する活動 | 法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動 該当例としては、外交官等の家事使用人、ワーキング・ホリデー、経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等 |
---|---|
在留期間 | 5年、3年、1年、6月、3月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲) |
・アマチュアスポーツ選手及びその家族
・EPA看護師・EPA介護福祉士の家族
・EPA看護師・介護福祉士及びそれらの候補者
・医療滞在及びその同伴者
・インターンシップ・サマージョブ・国際文化交流
・家事使用人
・観光・保養等を目的とする長期滞在者及びその配偶者
・高度専門職外国人の就労する配偶者
・高度専門職外国人又はその配偶者の親
・在学中又は卒業後に就職先が内定し採用までの滞在を希望する場合
・スキーインストラクター
・特定研究等活動
・特定研究等活動等の親・特定研究等活動等家族滞在活動
・特定情報処理活動
・日系四世
・本邦大学等卒業者及びその配偶者等
・本邦の大学等を卒業した留学生が起業活動を行う場合
・本邦の大学等を卒業した留学生が就職活動を行う場合
・優秀な海外大学等を卒業した者が起業活動・就職活動を行う場合(J-Find)
・本邦の大学を卒業した留学生等が大学院進学までの滞在を希望する場合
・在留資格「特定技能1号」への移行を希望する場合
・デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子
就労可能な特定活動ビザ
特定活動ビザの中でも就労可能で、保持者数が多めなものは以下が挙げられます。
・インターンシップ
・ワーキング・ホリデー
・家事使用人 など
就労可能で特に注目したい特定活動ビザについて、詳しくは別の記事コラムの、
「外国人学生のインターンシップ、ビザ申請に強い法律事務所が解説」や
「特定活動ビザとは?就労制限や在留資格のポイントを法律事務所が解説」にてお伝えいたします。
参考までに、e-Stat政府統計ポータルサイトでの特定活動のデータは以下となっています。
(就労不能の特定活動も含まれております。)
特定活動ビザに該当する活動内容 保持者の多い順
その他 43,732名
ワーキング・ホリデー 6,662名
難民認定手続中 4,940名
EPA対象者 本人 3,870名
高度人材 家族 2,901名
インターンシップ 2,525名
家事使用人 1,090名
本邦大卒者 964名
EPA対象者 家族 412名
医療滞在・同伴者 384名
アマスポーツ選手 本人 302名
本邦大卒者の家族 218名
アマスポーツ選手 家族 158名
特定研究等及び情報処理 家族 9名
特定研究等及び情報処理 本人 4名
人身取引等 0名
どの就労ビザに該当するのか迷ったらプロへご相談を
就労ビザの中で最も取得者数の多い「技術・人文知識・国際業務」ビザは、2023年6月時点
で346,116名の外国人が保持している状況です。しかし、このビザの範囲は非常に広く、出入国在留管理庁のWebサイトに記載されている該当例(機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等)だけでは、その全容を把握するのは困難です。
特に「人文知識」という用語は、具体的にどのような職種や業務を指すのか分かりにくい面があります。「企業内転勤」や「介護」など、名称から業務内容が想像しやすい就労ビザと比べ、「技術・人文知識・国際業務」は適用範囲の判断が難しい場合があり、注意が必要です。
「高度専門職」や「特定技能」など細かく分類・区分された在留資格についても非常に複雑です。
企業様や日本で就職したい外国人の方々にとって、以下のような疑問が生じることがよくあります。
・この業務内容はどの就労ビザに該当するのか
・適切な手続きの種類(在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請など)はどれなのか
・外国人雇用の際、または雇用後にビザの更新を行う際、書く必要のある書類や証明する書類などの有無やその内容は何なのか
・各種手続きや届出に何日以内に提出といった期限はあるのか、など
これら以外にも、疑問がありましたらいつでもご相談ください。弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所では、ビザ取得についての無料相談を受付けています。
当法律事務所では、スタッフ全員が行政書士の資格を持ち、弁護士の指導のもと、ビザ申請・外国人雇用・労務・契約書など、法務の専門知識を持ったプロフェッショナルがそろっており、全力でサポート、支援いたします。ご安心してご相談ください。
※本稿の内容は、2024年10月現在の法令・情報等に基づいています。
本稿は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。正確な情報を掲載するよう努めておりますが、内容について保証するものではありません。
執筆者:弁護士小野智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所
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(代表弁護士 小野智博 東京弁護士会所属)
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