
目次
一般的に、アメリカに入国を希望する外国人は、ビザを取得する必要があります。
この記事では、在日中国人が短期商用や観光目的等でアメリカに滞在するためにビザを取得する場合の申請資格や申請方法、及びビザ取得後に登録が必要なEVUSについて、ビザ手続きに詳しい弁護士が分かりやすく解説します。
在日中国人が観光でアメリカに滞在する場合にビザは必要?
一般的に、アメリカに入国を希望する外国人は、一時滞在のための非移民ビザ、または永住のための移民ビザのどちらかを取得する必要があります。日本を含むビザ免除プログラム(VWP: Visa Waiver Program)参加国の市民である場合、一定の条件を満たせば、ビザを取得することなく渡米することができます。しかし、中国はビザ免除プログラム(VWP)の参加対象国ではないため、たとえ日本在住であっても、中国籍の方はビザを申請する必要があり、観光目的であれば商用/観光ビザ(B-1/B-2 ビザ)を取得する必要があります。
商用/観光ビザ(B-1/B-2)とは?
商用/観光ビザ(B-1/B-2)は、主に観光、友人や家族を訪問する際に申請するビザであり、社会的奉仕活動、手術や治療など休養を目的とする場合にも適用されます。これらの目的で渡米する際、在日中国人はビザ免除プログラムを利用できないため、商用/観光ビザ(B-1/B-2)の取得が必要です。
アメリカ商用/観光ビザ(B-1/B-2)を取得する場合、在日アメリカ大使館(領事館)でビザ申請手続きを行い、面接に参加する必要があります。在日中国人の方は、日本に正式な在留資格を持って居住しているのであれば、在日アメリカ大使館(領事館)でビザ申請できるため、通常、中国へ戻って申請する必要はありません。
・在日アメリカ大使館におけるビザ申請手続きについて法律事務所が解説
中国人に対する商用/観光ビザ(B-1/B-2)の有効期間
中国籍者のアメリカ商用/観光ビザ(B-1/B-2)は通常10年で、複数回入国(multiple entry)が可能です。ただし、これは最長の期間であり、領事の判断で10年より短い期間になることもあります。また、中国共産党員に対する商用/観光ビザ(B-1/B-2)の有効期間は、1ヶ月間で、1回入国(single entry)です。
商用/観光ビザ(B-1/B-2)申請資格
商用/観光ビザ(B-1/B-2)を申請する場合、以下のことを示す必要があります。
- 渡米目的が、観光、娯楽、治療など一時的な訪問であること
- 一定の、限られた期間のみアメリカに滞在する計画であること
- アメリカでの滞在期間中にかかる費用をまかなう資金を有する証明ができること
- アメリカ国外に居住していること、及び、アメリカ国外に社会的・経済的な強いつながりがあり、訪問の終了時には確実に帰国すること
以下で説明する申請書類やビザ面接時に、日本での安定した仕事、在留資格、生活基盤があることを示し、「観光後に確実に日本に戻る」ことを証明するようにしましょう。
商用/観光ビザ(B-1/B-2)申請の流れと手順
商用/観光ビザ(B-1/B-2)申請の流れ
アメリカ商用/観光ビザ(B-1/B-2)申請の大まかな流れは以下のとおりです。
| STEP1:渡航目的及び滞在期間を確認する→STEP2: 申請書の作成→STEP3: 申請料金の支払い及び面接予約→STEP4: 必要書類の準備→STEP5: 面接に出席→STEP6: ビザの受領 |
商用/観光ビザ(B-1/B-2)申請の手順
■STEP1 : 渡航目的及び滞在期間を確認する
ご自身の渡航目的や滞在期間から、取得するビザの種類が「商用/観光ビザ(B-1/B-2)」で適当かどうか確認しましょう。
なお、ビザの申請者は渡米予定日の少なくとも3ヶ月前には申請を行うことが推奨されています。ビザ申請が必要な方は渡航日までの日数に十分な余裕を持ってビザを申請するのがよいでしょう。
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■STEP2 : 申請書の作成
非移民ビザオンライン申請書(DS-160)を作成し、送信します。
DS-160申請書はこちらから https://ceac.state.gov/GenNIV/Default.aspx
DS-160はアメリカビザの発給資格を事前に審査する制度で、商用/観光ビザ(B-1/B-2)を含む非移民ビザを申請するすべての方が対象です。英語のページですが、右上のプルダウンで日本語や中国語を選択することもできます。中国語を選択すると、「本申请表的内容大多都已经翻译成中文。如欲阅读译文,请把鼠标放在您需要翻译的任何句子上。」と表示され、英語の説明文の上にカーソルを合わせると中国語の翻訳が表示されます。
作成を開始する前に、お手元にパスポートとパスポートサイズの写真のデジタルファイルを準備しましょう。作成には90分ほどかかりますので、時間に余裕を持って作成するのがよいでしょう。20分間入力を停止すると、セッションが終了するため注意が必要です。また、入力した情報を保存して、後から入力画面に戻って完了させることもできるため、入力した情報はこまめに保存しながら進めてください。
「Select a location where you will be applying for this visa」で、中国籍であっても日本で申請する場合はJAPANを選択します。Locationを選んだら、Start an applicationをクリックして次に進み、画面右上に表示されるApplication IDを忘れずにメモしましょう。入力を途中で中断し、再開するときにこのApplication IDが必要となります。
DS-160の申請には、以下の個人情報の入力が必須です。
・姓名
・性別
・生年月日
・出生地
・国籍
・ビザの種類(渡航目的に応じたビザを選択)
・直近5回の渡米歴
直近5回すべての渡米情報(到着日および滞在期間)を入力します。アメリカ本土およびハワイ、グアム、サイパンなどの米国諸島への渡航歴や、アメリカ領内の通過または乗り継ぎなどに関する情報もすべて入力する必要があります。
母国語で姓名を記入するよう要求される箇所を除いて、全ての質問には英語で回答する必要があります。到着予定日や滞在期間の詳細が決まっていない場合は目安の記入で構いません。渡航歴情報では、アメリカに旅行や長期滞在をしたことがある方はパスポートの記録と照らし合わせて正確に入力します。
作成が完了したDS-160には、英数字のバーコードの確認ページが作成されます。確認ページは、大使館(領事館)での面接の際に必要となりますので、確認ページを印刷したら、Webブラウザの「戻る」ボタンをクリックして、ご自身宛にDS-160のバックアップコピーをメールで送信するとよいでしょう。
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■STEP3 : 申請料金の支払い及び面接予約
商用/観光ビザ(B-1/B-2)申請料金(185 USD)の支払いと面接予約を行います。お手元に、パスポート、DS-160確認ページ、及びデビット/クレジットカードを準備しましょう。
▼Official U.S. Department of State Visa Appointment Service
「面接の予約をする」
https://ustraveldocs.com/jp/ja/step-4#schedule
初めてアメリカビザを申請する方は、ウェブサイトからユーザー登録し、プロファイルを作成します。アメリカビザを申請したことがある方は、既存のユーザー ID とパスワードを使用してログインし、プロファイルを変更できます。
ビザ面接予約の際は、オンライン申請書(DS-160)の確認番号を正しく入力しましょう。このDS-160確認番号に基づきビザ申請が処理されるため、間違った番号を入力した場合、申請が受理されない、または面接予約がキャンセルされる等のトラブルが発生することがありますので注意が必要です。
申請料金の支払いが完了し、プロファイル上でレシート番号が反映されたら、面接の予約に進みましょう。ご希望の面接日時を選んだら確認ページをプリントし、面接の際に持参します。
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■STEP4 : 必要書類の準備
商用/観光ビザ(B-1/B-2)の申請及び面接時に必要な書類は以下のとおりです。
中国籍の方は、在留カードまたは特別永住者証明書の両面コピーが必要です。
| 必要書類 |
|---|
| 必ず準備する書類 |
| ① DS-160確認ページ ② アメリカでの滞在予定期間に加えて6ヶ月以上の残存有効期間があるパスポート ③ 過去10年間に発行された古いパスポート ④ 証明写真1枚(5cm x 5cm)、6ヶ月以内に撮影した背景が白のカラー写真。アプリ等で加工した写真、眼鏡を着用した写真は不可。DS-160確認ページ左上に留めてください。 ⑤ 面接予約確認書 ⑥ ※日本国籍以外の申請者で日本居住者の方のみ 在留カードまたは特別永住者証明書の両面のコピー |
| 補足書類 |
| 状況に応じて、下記の書類を提出することが推奨されています。 英語以外の書類には英訳が必要です。 ① 予定している旅行に関する旅程表 ② 休暇許可やアメリカへの旅行に際して仕事上の目的がある方:その目的を詳述した雇用主の書簡 ③ 逮捕または有罪判決を受けたことがある方:刑期満了済みや恩赦されたとしても、それに関する犯罪や裁判の記録 ④ 親族訪問のためにビザを申請する方:親族の滞在資格証明(グリーンカード、帰化証明書、有効なビザなど)のコピー ⑤ これまでにアメリカに入国したことがある方:入国資格またはビザ資格を証明する書類 ⑥ 治療を目的として渡航する方: ・ 病気についての説明、及びアメリカでの治療が必要な理由を説明した日本の担当医師からの診断書 ・ 特定の病気の治療を行う意思、及びその治療に必要な期間と費用が明記されたアメリカの医師または医療機関からの手紙(治療費には診察料、入院費および治療に関するすべての費用を含む) ・ 渡航費、医療費及び滞在費を負担する個人または団体からの財政証明書。これらの費用の支払いを個人が保証する場合、銀行取引明細書やその他の収入/預金証明書、納税証明書のコピーなどの支払い能力を証明する書類 等 |
■STEP5 : 面接に出席
ビザを取得するためには、本人が直接、アメリカ大使館(領事館)での面接に出席する必要があります。
面接に出席する際は、大使館(領事館)への持ち込みが認められていないものは持参しないよう、注意が必要です。持ち込みが認められていない物を持参した場合、入館することができません。
<持ち込み可>
・携帯電話1台
・手持ち可能なバッグ1点(25cmx25cm以下)
・ビザ申請関連書類が入った透明なクリアフォルダー
・傘、ただし荷物検査前にセキュリティゲートの外の傘たてに置くこと
・ベビー用品(ミルク・おむつ・お湯など)
・ベビーカー(待合室の外に保管場所あり)
<持ち込み不可>
・ノートパソコン、iPad、USBメモリ、電子手帳、スマートウォッチ、ポケベル、カメラ、オーディオ/ビデオカセット、コンパクトディスク、MP3、フロッピーディスク、ポータブル音楽プレーヤーなどの電子機器
・許可されたサイズ(25cmx25cm以下)を超える大きなかばん(バックパック、リュックサック、ブリーフケース、旅行かばん、スーツケース等)
・食品全般
・煙草、葉巻、マッチ、ライター
・はさみやナイフ、爪やすりなどの先の尖った物
・全ての武器、凶器、火薬、爆発物
※上記リストに限らず、警備員の指示により持込みが禁止される物があります。
なお、写真やビデオの撮影は禁止されていますので、注意しましょう。
また、待ち時間が長くなる可能性があるため、面接当日は時間に余裕を持ったスケジュールを立てましょう。自分の番が来たら指紋を取った後、面接に進みます。
↓
■STEP6 : ビザの受領
ビザ申請が許可されると、通常、面接後15日程度で、面接予約の際に選択した受け取り方法(指定窓口または郵送での受け取り)でパスポートとビザを受け取ることができます。
・アメリカビザ面接の疑問を解決|ビジネス目的でアメリカに滞在する場合のビザ面接について法律事務所が解説
EVUS(Electronic Visa Update System)とは?
在日中国人の方はアメリカ商用/観光ビザ(B-1/B-2)の取得後、渡航前に EVUS(Electronic Visa Update System)登録も必要です。
EVUS(Electronic Visa Update System)公式サイト https://www.evus.gov/
EVUSとは、10年間有効な商用/観光ビザ(B-1/B-2)ビザを所持する中国人が、定期的に基本的な個人情報を更新する際に使用するオンラインシステムです。EVUS未登録の場合は、搭乗券を取得できず、陸路の入国港から入国することもできません。
EVUS登録料と有効期間
EVUS登録手数料は30 USDです。登録は2年間、またはビザもしくはパスポートの有効期限が切れるいずれか早い方まで有効です。その後、ビザ保持者は米国に再度渡航する前に情報を更新する必要があります。
EVUS登録内容と承認されるまでの時間
EVUSへの登録には、旅行者本人の氏名、生年月日、緊急連絡先、パスポート情報、経歴情報、および雇用情報等の提供が必要です。本人に代わって第三者がEVUS登録をすることも可能です。なお、EVUSへの登録は通常数分以内に処理されますが、最大で72時間かかる場合もあります。時間に余裕を持ってEVUSに登録するのがよいでしょう。
中国人のアメリカビザ申請方法についてまとめ
専門家への依頼が推奨される理由
アメリカビザの取得には、アメリカ大使館への申請、大使館における対面での面接に参加する必要があり、入念な準備が不可欠です。特に、在日中国人の方が日本で申請する場合、日本との結びつきが弱いと評価されないよう、入念な準備が不可欠です。
また、繁忙期(6月~8月)は、他の月よりも多くのビザが発給されており、アメリカ大使館(東京)では毎日300件を超えるビザ面接が行われています。この時期にビザ申請を予定している場合は、あらかじめスケジュールに余裕を持って準備するのがよいでしょう。
さらに、10年間有効なアメリカ商用/観光ビザ(B-1/B-2)ビザを取得できたら、EVUSの登録が必要です。こうした複雑な申請手続き対応には専門的な知識を有する弁護士や行政書士に相談・依頼することで、ビザ申請の成功率を高め、安心して渡米準備を進めることができます。手続きが複雑で負担が大きく、不安がある場合には、ぜひ専門家への相談をご検討ください。
ビザ申請サービスのご案内
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所では、アメリカビザ取得に関する無料相談を受け付けています。申請書類の適切な準備から法的アドバイス、そして最適な申請戦略の立案まで、幅広くサポートいたします。
当法律事務所では、スタッフ全員が行政書士の資格を持ち、弁護士の指導のもと、ビザ申請・外国人雇用・労務・契約書など、法務の専門知識を持ったプロフェッショナルがそろっています。お気軽にご安心してご相談ください。
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執筆者:弁護士小野智博
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