コンプライアンス

海外進出・海外展開:アメリカ・カリフォルニア州でプラスチック製ストローの使用が禁止に

by 弁護士 小野智博

はじめに

アメリカのカリフォルニア州ではファストフード店を除くレストランで「客の要望がない限り」プラスチック製ストローの提供を禁じる法案が可決されました。州単位での取り組みとしては、アメリカ国内において、今回が初めての事例です。

本記事では新法の概要について説明していくとともに、世界的なプラスチック製品禁止の動きについて様々な事例をまとめています。

環境対策に関連した法律は今後増えていくことが予測されており、企業側もその流れに合わせた改革が求められてきます。また、企業自らが環境対策の取り組みをアピールする時代となっており、実質的な企業利益を出すためにも、社会的責任を果たすためにも、企業として環境対策に取り組む必要があるでしょう。

 

法律の概要

新法の内容

・飲食店では客に注文されない限り、使い捨てのストローを出すことは禁止

・ファストフード店やコンビニエンスストアは対象外

・紙製や金属製のストローであれば、客からの注文がなくても提供可能

・2019年1月1日から施行

・違反した場合、1日当たり25ドルの罰金が科される

 

他の自治体における類似法案

シアトル:

都市の条例により、レストランやカフェなど様々な食品サービス業での使い捨てプラスチックストローとカトラリー(ナイフ/フォーク/スプーン)が禁止になりました(2018年7月1日以降)。この条例は違反者に250ドルの罰金を科す強制力を持ったものになります。

 

アメリカ大手企業における取組み

スターバックス:

2018年7月、アメリカ大手コーヒーチェーンのスターバックスはプラスチック製使い捨てストローの使用を2010年までに廃止すると発表しました。世界で展開する約2万8000の全店舗を対象にするとのことです。今後はストローを使わない飲み口が一体となったタイプのふたに切り替える、あるいは異なる素材のストローを使用する方針となっています。

 

マクドナルド:

2018年6月、アメリカのファストフード大手マクドナルドは、イギリスとアイルランドにおいて2018年9月よりプラスチック製ストローを紙製ストローに順次切り替えると発表しました。イギリスとアイルランドでは2019年内に切り替えを完了の見込みで、他の国でも順次試験運用を始める計画となっています。最終的には、2025年までに世界の全店舗で、プラスチック製ストローの廃止を含め、包装紙や箱、袋など、全ての製品をリサイクル可能なものに切り替えることを目標にしています。

 

カリフォルニア州のこれまでの取り組み

再利用率の現状

学術雑誌Science Advancesに掲載された報告によると、2015年のデータでは6300 Mtのプラスチック製品が世界で製造されていました。しかしながら、そのうちリサイクルされるものはわずか9%、残り12%が焼却処分、そして79%は埋め立てゴミあるいは自然環境に捨てられていたとのことです。

 

カリフォルニア州のこれまでの取り組み

カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は環境対策に積極的に取り組んでおり、2014年にはアメリカで初めてとなるレジ袋禁止法を成立させました。

 

カリフォルニア州知事からのメッセージ

カリフォルニア州知事は今回の法案に署名するにあたり、以下のような声明を寄せています。

19世紀にプラスチックが発明されて以降、ブラスチックは現代社会のあらゆる場面で利用されています。歯磨き粉にも含まれているほどです。ブラスチックはイノベーションの進展を推し進めてくれましたが、使い捨てという利便性は恐ろしい結末を引き寄せてしまいました。

プラスチック汚染のために年間何千匹もの海洋生物が死んでいます。例に挙げると、タイの海岸に打ち上げられたゴンドウクジラの胃の中から、80枚ものポリ袋が見つかりました。このクジラはポリ袋が原因で食べ物を消化することができずに死んでしまったのです。また、海中に存在しているマイクロプラスチックが、人間に与える健康上の影響についても未知数です。

ストロー、ボトル、容器、袋など、あらゆる形態のプラスチックが地球という惑星を窒息させているのです。

客が頼まなければプラスチックストローを出さないという今回の措置は非常に小さな1歩ではありますが、各々が立ち止まって考え直すきっかけになるかもしれません。私たちは使い捨てプラスチック製品の使用を減らし、その代替となる方法を見つけなければならないのです。

 

今後の見込み

カリフォルニア州の経済力は、カリフォルニアを国家に見立てた場合は世界で第6位という大きなものです。そのカリフォルニアは環境対策のリーダーシップを取る形で、これまでさまざまな取り込みを見せてきました。今回の新法に他の州やアメリカ国家が追随することが予想されます。

現在では企業責任として環境対策が求められることも多くなっています。そのため、環境対策に対する世界的な流れを把握して、歩調を合わせることが重要でしょう。

 

※本記事の記載内容は、執筆日現在の法令・情報等に基づいています。

 

 

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