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【弁護士解説】外国人雇用における問題とは?外国人労働者の雇用の課題と解決策をわかりやすく解説

by 弁護士 小野智博

外国人雇用における問題とは? 問題点と解決策をわかりやすく解説

「外国人雇用」について、人事部・採用担当者の皆さまは、次のようなお悩みがあるのではないでしょうか。

「外国人雇用って具体的に何が問題になるの?」

「外国人と日本人、同じ労働者でも何が違うの?」

「外国人雇用の問題点の解決策はあるの?」

「外国人雇用をするメリットは何?」

「外国人の採用が決まった際の具体的な手順は?」

この記事では、外国人雇用の問題点から解決策、外国人採用が決まった際の具体的な手順までを分かりやすく解説します。

外国人雇用の現状

T社長
T社長

当社では、人手不足が続く中で、外国人採用を検討しています。ただ、そもそも日本で外国人雇用はどの程度進んでいるのでしょうか。実態を把握しておきたいです。

人手不足の状況だと、外国人採用を検討されるのは自然な流れですね。実際、外国人雇用は年々増加しており、多くの企業で採用が進んでいます。ただ、その一方で、制度理解や受入体制が不十分なまま進めてしまい、トラブルになるケースも少なくありません。まずは現状と全体像を整理していきましょう。

小野弁護士
小野弁護士

 

我が国における外国人雇用は年々増加しています。

厚生労働省のデータによると、外国人労働者数は2020年が約172万人 → 2021年約173万人 → 2022年約182万人 → 2023年約205万人 → 2024年10月末で230万2,587人と、右肩上がりで過去最多を更新しています。

雇用する事業所数も2024年に34万2,097所まで拡大しました。人手不足を背景に、製造・介護・外食などで採用が進む一方、フィリピンなどアジア圏を中心とした人材の活躍も広がっており、在留資格の確認や就労範囲の整理、受入れ後の支援体制づくりがますます重要になっています。

外国人雇用の問題点

T社長
T社長

外国人雇用の基本は分かりましたが、実際にどんなトラブルが起きやすいのかが気になります。現場で問題になりやすいポイントはどこにありますか。

そこは実務上とても重要なポイントですね。実際、トラブルはある程度パターン化されています。不法就労のリスク、文化の違い、コミュニケーション、生活支援など、押さえるべき論点を整理して解説します。

小野弁護士
小野弁護士

知らずに不法就労になってしまうことがある

就労系の在留資格には、それぞれ「できる仕事(従事できる活動)」が定められています。

つまり、在留資格で認められていない業務(業種)に就かせることはできません。

怖いのは、本人が「働きたい」、会社も「行ってほしい」と合意していても、実際の配置や業務指示の内容次第で不法就労に該当してしまう恐れがある点です。

例えば、技術・人文知識・国際業務の在留資格をもつ外国人労働者に対して単純作業を中心に任せたり、留学生アルバイトに許可範囲を超える労働をさせたりすると、不法就労とみなされる可能性があります。

採用時の在留カード確認だけでなく、職務内容が在留資格に合っているか、配属変更や業務追加のタイミングでも定期的に確認することが重要です。

▶参考情報:外国人の就労ビザを取得する方法については下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。
技術・人文知識・国際業務ビザで就労するには|業務内容と申請方法について法律事務所が解説

文化の違い

外国人雇用では、時間感覚、報連相の頻度、指示の受け取り方、上下関係、休暇の捉え方など、価値観の違いから誤解が生じることがあります。

例えば、「言われたことだけをやるのが親切」と考える文化もあれば、「気づいたら自分で改善するのが良い」とされる文化もあります。

期待を込めて発した厳しい言葉が違う受け取られ方をすることもあります。

こうした差を本人の能力や努力だけに任せると、双方にストレスがたまり、ミスマッチや早期離職につながりがちです。

文化の違いからくるトラブルは、相互理解の不足が原因です。

入社時には「日本の文化」だけでなく、その会社の当たり前(連絡の粒度、遅刻欠勤のルール、相談の仕方、評価の観点)をやさしい日本語で言語化し、具体例つきで共有することが重要です。

曖昧な表現ではなく、「この場面ではこう動く」というケーススタディ形式にすると理解が進みます。

コミュニケーションが難しい

日本語力には個人差があり、日常会話ができても、就業規則・安全衛生・評価制度など抽象的な説明や専門用語は理解しづらいケースが多いです。

さらに、相手が分かったふりをしてしまう(遠慮して質問できない)こともあり、誤解が積み重なると事故やトラブルの原因になります。

対策としては、やさしい日本語を使う、図解を用いる、チェックリストを作る、復唱確認を行うといった工夫に加え、「理解できたか」を確認することが大切です。

例えば、「分かりましたか?」ではなく「今話したルールをあなたの言葉で説明してみてください」と確認したり、重要事項は口頭だけでなく紙・チャットで残すなど、伝達ミスを前提にした運用が効果的です。

以上のような工夫を積み重ねることで、誤解の予防につながります。

手続きや生活支援が必要なことがある

入社に伴い、住居、銀行口座、携帯、マイナンバー、社会保険、税、在留手続きなど、生活インフラを整える必要があります。

日本人にとっては当たり前の手続きでも、外国人にとっては「制度の全体像が分からない」「どこに行けばいいか分からない」「必要書類が揃わない」といった理由で、複雑で高いハードルになり得ます。

むしろ、いきなり日本に来て、日常の手続きを問題なくできる方が少なく、支援が必要です。

ここが不安定だと手続き漏れや生活トラブルが起き、結果として定着を妨げます。

放置せず、手続き支援を行うことが現実的です。

特に入社直後の1〜3か月は、支援の有無が離職率に関係しやすい時期です。

「日本における手続きリスト」などの資料を作成して配布するのも効果的です。

外国人雇用の誤解

T社長
T社長

外国人雇用の問題点は理解できましたが、社内では“外国人雇用はこういうものだ”という思い込みも多いです。何が正しくて何が誤解なのか整理したいです。

おっしゃるとおり、実務では誤解が原因でトラブルになるケースが多いです。次に、典型的な誤解を整理し、どこが間違いやすいのかを明確にしていきますね。

小野弁護士
小野弁護士

低賃金でも良い

たまに「外国人だから安く雇える」という考えを一部で聞くことがありますが、事実ではありません。

ただ「外国人だから」という理由で日本人よりも低い賃金で働かせることはできません。

就労ビザ取得時の審査では会社の求人も確認されます。

日本人と同水準の雇用契約になるようにしましょう。

(日本人は経験者採用だが外国人は未経験採用のように正当な理由があって賃金の差があることは問題ありません。)

賃金や待遇の適正性

外国人雇用では、賃金や待遇の適正性も重要なポイントです。

就労ビザの審査では、単に最低賃金を満たしているかではなく、日本人と同等の業務であれば同等水準の報酬かが確認されます。そのため、「外国人だから安く雇える」という考えは通用しません。
相場より低い給与設定によりビザが不許可となるケースがみられます。

また外国人を雇用したあとの実務では、次のような点が問題になりやすいです。

・手当や控除の説明不足によるトラブル
・日本人との待遇差を合理的に説明できない

ビザ申請、雇用後のトラブルともに、対応としては、給与水準の根拠(職務・経験・相場)を整理し、説明できる状態にしておくことが重要です。

見落とされがちなポイントとしては、次の点が挙げられます。

・「基本給」だけでなく、総支給額ベースでの合理性が見られる
・住宅手当・通勤手当・語学手当なども含めて説明が必要
・最低賃金を守っていても、それだけでは不十分な場合がある

外国人雇用では、「違法でない」だけでなく、「合理的に説明できるか」が実務上の分かれ目になります。

日本が話せる=日本の職場ルールも理解している

日常会話ができても、就業規則、残業・休憩、報連相、安全衛生、評価の仕組みなど「職場の前提」を理解しているとは限りません。

曖昧な指示は誤解を生みやすいので、やさしい日本語で明確に指示をすることが望まれます。

在留資格さえあれば、基本どんな仕事でもさせられる

在留資格ごとに「従事できる活動(仕事)」が決まっています。

例えば、技術・人文知識・国際業務の人に単純作業中心の業務をさせる、資格外活動許可を得ている留学生を週28時間(学校の長期休暇中は週40時間)を超えて働かせることは認められていません。

採用時だけでなく、配置転換や業務変更のたびに適合性の確認が必要です。

技能実習生は人手不足対策として自由に使える労働力

技能実習制度は日本の技術を発展途上国に移転することが目的で、受入れられる職種は決まっており、監理の体制、実習計画など整えなければなりません。

しかし、「とりあえず技能実習の外国人を雇えば、人数が増やせる。」という考えも聞かれます。

現場都合でとりあえず雇う、人数が補えれば良いという発想は制度趣旨とズレやすく、深刻なトラブルの温床になります。

きちんと制度の目的と運用ルールを踏まえた設計が不可欠です。

外国人雇用問題の解決策

T社長
T社長

おかげさまで問題点や誤解について、理解ができた気がします。ですが、結局どう対応すればいいのでしょうか。現場で実行できる対策を教えていただけますか?

もちろんです。重要なのは“仕組みで防ぐ”ことです。在留資格管理や賃金設計、教育体制など、実務に落とし込める形で解決策をご説明しますね。

小野弁護士
小野弁護士

在留資格は会社でも責任をもって管理する

採用時に在留カードを確認して終わりではなく、在留資格の種類・就労範囲・在留期限を会社側でも記録し管理します。

業務内容や配属変更のたびに「業務内容がその在留資格で適法か」をチェックし、更新時期が近づいたら本人に早めにアナウンスします。

誰が確認するか(人事・現場責任者など)まで決めておくと安心です。

また、採用時点の確認に加え、入社以降も定期的に棚卸しする運用にしておくと安心です。

在留資格はさまざまあり、ややこしいこともあります。

弁護士や行政書士などの専門家を頼ることもおすすめです。

賃金決定の際には根拠を持つ

「ただ何となくこの金額」ではなく、職務内容・スキル・経験・地域の相場・社内等級など、説明できる根拠を持ちましょう。

とくに募集時の提示額と入社後の実態に乖離があると不信感につながるので、手当(住宅・通勤・語学等)や控除(寮費等)のルールも含めて、入社時にオリエンテーションでクリアにしておきます。

また、社会保険や雇用保険、源泉徴収税の控除には馴染みのない外国人もいます。

中には「不当に賃金から引かれている」と思われてしまうことも考えられます。

「どんな制度なのか」「納めることでどんな恩恵が受けられるのか」も含め丁寧に説明すると良いでしょう。

メンターをつける

メンター制度を導入するのも効果的です。

仕事のOJT担当とは別に、生活面も含めて相談できるメンター(先輩社員)を配置します。

定期的な1on1(例:入社後1か月は週1、その後は月1)を設定し、困りごとを早期に共有してもらう仕組みにすると、孤立・誤解・早期離職防止になります。

日本の制度についてまとめた英語のマニュアルを作る

就業ルールだけでなく、税・社会保険・年末調整・有給・残業・病欠時の流れなど、日本特有の制度を英語で整理した「入社ハンドブック」を用意します。文章だけだと伝わりにくいので、特徴をとらえた図解・Q&A・チェックリスト(例:引越し/住所変更/退職時の手続き)にすると効果的。社内版を作っておくと担当者が変わっても品質が落ちません。

また、可能な限り口頭での説明も行うと良いでしょう。

価値観の違いによる認識相違などがあった場合も、NOという意思表示だけではなく、相手の価値観を尊重することも大切です。

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外国人雇用のメリット

T社長
T社長

ここまでリスクや対応策の話を聞いてきましたが、実際に外国人を採用することで、企業にどのようなメリットがあるのでしょうか。単なる人手不足の解消にとどまるのかも気になります。

ご懸念の点はもっともです。ですが外国人雇用は、人材確保に加えて、組織や事業にもプラスの影響をもたらします。具体的にどのようなメリットがあるのか、整理して解説します。

小野弁護士
小野弁護士

人材確保につながる

国内の採用市場が厳しくなる中でも、外国人雇用は「とりあえず人数を埋める手段」ではなく、制度の趣旨とルールを理解したうえで、計画的に受け入れる人材戦略として取り組むことで、優秀な人材確保につながります。

例えば、技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務などは、在留資格ごとに目的や従事できる業務範囲、支援体制の前提が異なります。

これを踏まえ、職務内容・必要スキル・日本語レベル・教育計画を明確にして採用すれば、製造・介護・外食・建設・物流など採用難の分野でも、欠員補充にとどまらず中長期の戦力化が可能です。

さらに、受入れ後の定着支援(相談窓口、生活支援、評価基準の見える化)まで設計しておくと、ミスマッチや早期離職を防ぐことができます。

外国人労働者の就職後に起こりやすい不安やつまずきポイントを先回りして潰すことが、戦力化の近道です。

多言語対応・海外顧客対応ができる

英語や母国語を活かし、外国人顧客の受付・問い合わせ対応、海外取引先とのメールやオンライン会議、越境ECの運用、訪日客向けの接客などを社内で担えるようになります。

外部の翻訳・通訳に頼っていた業務を内製化できれば、コスト削減だけでなく、対応スピードの向上、情報伝達の精度アップにもつながります。

さらに「言葉が通じる」だけでなく、文化的な背景を理解した説明や提案ができる点も強みになります。

海外顧客への対応品質が上がることで、リピートやプラスの口コミにつながりやすくなるケースもあります。

組織の多様性が増え、業務改善・標準化が進む

外国人材が加わると、これまで暗黙の了解で回していた業務が通じづらくなり、「誰が見ても分かる形」に整える必要が出てきます。

最初は手間ですが、結果として、業務フローの見える化、手順書・マニュアル・チェックリストの整備、教育の体系化が進み、属人化の解消につながります。

新人教育の品質が安定し、ミスや手戻りが減り、業務の再現性が高まるのは大きなメリットです。

また、多様な視点が入ることで「このやり方は本当に必要か」「もっと簡単にできないか」といった改善提案が出やすい環境になります。

誰かの経験や勘に頼る業務から、標準化された業務へ移行できると、組織全体の生産性と品質が底上げされます。

社内の視野が広がり、イノベーションや学習文化が生まれる

異なる価値観や経験を持つ従業員がいると、当たり前だと思っていた前提を問い直す機会が増えます。
例えば、会議の進め方、評価の納得感、コミュニケーションの方法、顧客への説明の仕方など、細部の違いが改善のヒントになります。

結果として、新しいアイデアやサービスが生まれやすくなり、変化に強い組織になっていきます。

さらに、社内で英語や異文化理解への関心が高まり、言語学習や勉強会などの「学ぶ空気」が自然に育つこともあります。

多国籍メンバーと協働できる経験は、管理職・現場双方のマネジメント力を高め、採用・育成・定着といった人事戦略の幅を広げます。

長期的には、多様性を受け入れられる組織風土が、優秀人材の採用力や企業ブランドにもプラスに働くことでしょう。

▶参考情報:外国人雇用のメリット・デメリットについては下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。
外国人労働者を雇用するメリット・デメリットについて|国際業務に詳しい法律事務所が解説

外国人労働者を雇うまでの流れ

T社長
T社長

外国人を雇用するということは、ただ人材不足を解消するというだけでなく、色々なメリットがあるんですね!ぜひ進めていきたいと思います。実際に採用する場合、どのような手順で進めればいいのでしょうか。特に海外から採用するケースはイメージが湧きません。

たしかに初めてだと全体像が見えにくいですよね。ご安心ください。採用ルートによって手続きは異なりますが、ポイントを押さえれば整理できます。海外から呼び寄せる場合と国内採用の場合に分けて、具体的な流れを説明します。

小野弁護士
小野弁護士

海外から外国人を呼び寄せる場合

海外にいる外国人を日本に呼び寄せて採用したい場合は、採用日までに6か月以上余裕を持って手続きします。

具体的な手順は以下の通りです。

①事前調査
「会社」と「外国人労働者」双方の事前調査を行います。
まず、会社側は外国人労働者に任せる職種や業務内容が申請する在留資格の要件に合致しているか確認します。
そして、外国人労働者側は学歴や大学での専攻内容など取得する在留資格の取得要件を満たしているかの確認をします。

②雇用契約の締結
会社側、外国人労働者側の事前調査が終わり、問題なさそうな場合は雇用契約を締結します。
就労ビザ取得には働く先と業務内容が定まっている必要があり、雇用契約書(労働条件通知書)の提出も求められるため、入管管理局への手続きの前に雇用契約を締結しないといけません。
外国人労働者としては、「雇用契約を締結したから絶対に働けるはず」と思ってしまう可能性があります。
そのため、雇用契約書(労働条件通知書)には「契約始期が到来しても適切な在留資格(就労ビザ)を取得する前の就労は認めない」旨の記載をして説明しておくと認識齟齬がなく安心です。

③入国管理局に在留資格認定証明書交付申請をする
雇用契約を締結したら、次は会社が代理人となって、会社管轄の入国管理局に在留資格認定証明書交付申請をします。
在留資格認定証明書とは「取得希望の在留資格の上陸許可基準に適合していると認められる」証明書です。
在留資格自体は入国時に与えられますが、先に上陸許可基準を満たしているか確認することで後の手続きがスムーズにできるよう配慮された制度です。
在留資格認定証明書交付申請は電子申請でも行えます。

➃在留資格認定証明書が交付される
在留資格認定証明書交付申請を行い、上陸許可基準に適合していると認められた場合は入国管理局より在留資格認定証明書が交付されます。
在留資格認定証明書の交付にかかる時間は入国管理局や時期、在留資格により異なりますが、おおよそ1~3ヶ月です。(東京の場合は6か月ほどかかる場合もあります。)
申請したらすぐに交付してもらえるものではないので注意が必要です。

⑤在留資格認定証明書を本人に送付する
入国管理局から在留資格認定証明書が交付されたら外国人労働者本人に送付します。後の手続きが遅れないよう交付されたらすぐに送付するようにしましょう。
電子申請の場合は、メールで受け取ることができるので、外国人労働者本人にメールを転送します。

⑥本人が日本公館でビザ申請をする
在留資格認定証明書が外国人労働者本人に届いたら、在留資格認定証明書を持って自国の日本公館(大使館または領事館)で査証(ビザ)申請をします。

⑦ビザが発給される
特に問題がなければ、申請から5日営業日ほどでビザが発給されます。

⑧本人が日本に入国する
外国人労働者本人が日本に入国し、空港で上陸審査を受けます。
空港でパスポート、在留資格認定証明書、ビザを提示してパスポートに上陸許可のスタンプを受け、在留カードを受け取ります。
日本に入国するのは在留資格認定許可証明書交付日から3ヶ月以内と決まっています。
入国管理局は「今」の状況や条件を重要視していますので、状況や条件が変わりかねない期間を超えての入国は原則として認めていません。
在留資格認定許可証明書が交付されたらスピーディーに手続きを進めましょう。

⑨入社準備
外国人労働者本人が日本に入国したらいよいよ就労開始です。
その前にマニュアルや外国人労働者に提出してもらう書類一覧を作成するなどの必要書類を準備します。
そして、初めての外国人採用であれば既存の従業員に対しての研修を行い外国人雇用の理解を深めることも検討しましょう。
研修の内容は主に外国人採用の主旨を伝える、価値観や文化の違いについての理解を深める、言ってはいけない言葉の例(特定の国への中傷と捉えられる可能性のある言葉など)、困ったことが起こった際の相談先(上司や人事部など)などがあげられます。

日本にいる外国人を雇う場合

日本にいる外国人を中途採用する場合は既に就労ビザを持っている可能性も高く、外国人採用の中ではハードルが低いと考えられます。

具体的な手順は以下の通りです。

①募集
外国人雇用の目的をしっかりと定め、必要な人材をペルソナ化することがスムーズな外国人採用のポイントです。
そして、ペルソナ像にあった募集方法を考えます。
募集方法はリファーラル採用(従業員からの紹介)、人材紹介会社の利用、大学など教育機関への求人募集、自社のホームページ、ハローワークの利用、SNSの利用など多くあります。

②選考
優秀な外国人労働者を採用するには採用ステップを簡略化することも視野に入れましょう。
海外で日本に比べて採用ステップが短い傾向にあります。
海外では日本よりも転職が一般的であり抵抗を感じない傾向にあります。
外国人労働者自身もシンプルな採用ステップの会社を優先する可能性もありますし、何度も面接をしているうちに採用ステップが短い会社が先に内定を出し、辞退されてしまう可能性もあります。
可能な限り「書類選考―一次面接―最終面接―内定」などスピード感を持った採用スケジュールにしましょう。
また、選考の段階で在留カードの提示を求めることは国籍などによる差別防止の観点から適切ではないとされていますので注意が必要です。

③内定
内定を出すときは、「適切な在留をしていると確認できない場合および適切な在留資格に変更を希望しない場合は内定取り消しになる」旨も伝えます。
内定の段階ではまだ在留カードの確認をしていません。
万が一在留期間が過ぎていた、本物かどうか疑わしい在留カードを提示された場合、就労するにあたり適切な在留資格への変更を拒否された場合、就労ビザへの変更が許可されなかった場合に内定取り消しができるようきちんと伝えておくことが大切です。
また、内定承諾書は書面でもらうようにしましょう。

➃在留カードの確認
内定承諾後に在留カードの提示を求め、在留期間内であるか、適切な在留資格を持っているかの確認をします。
適切な在留資格を持っていなかった場合は在留資格変更の手続きが必要なことを伝えます。
また、在留カードはコピーや写真ではなく必ず原本で確認するようにしましょう。在留カードが本物かどうか確認できるアプリも利用すると安心です。

⑤労働契約の締結
労働契約の締結の際は誤解が生じないように、きちんと契約内容を説明することが重要です。
例えば、残業の有無、固定残業代の範囲、社会保険料や雇用保険料、源泉所得税の控除は疑問を抱かれやすくトラブルに発展しやすいポイントです。
特に控除されるものは納得してもらえない可能性もありますので、どういう制度なのかもあわせて伝えるようにしましょう。
また、可能な限り母国語へ翻訳した雇用契約書(雇用条件通知書)も用意しましょう。

⑥入国管理局に在留資格変更許可申請をする(必要があれば)
在留カードを確認した結果、自社の業務に適合した在留資格を持っていなかった場合は、外国人労働者の住所地を管轄する入国管理局に在留資格変更許可申請をします。
在留資格変更許可申請には労働契約書(労働条件通知書)、直近の決算書類、直近の法定調書合計表など会社側が用意する書類もあります。
在留資格変更許可申請は結果が出るまでおおよそ1~3ヶ月かかりますので、なるべく早めに申請できるように動きましょう。

⑦在留資格変更許可がおりる
在留資格変更許可申請をして約1~3か月後に結果が出ます。無事在留資格変更許可申請が許可されたら就労できます。

⑧入社準備
マニュアルや外国人労働者に提出してもらう書類一覧などの必要書類を準備します。
そして、初めての外国人採用であれば既存の従業員に対しての研修を行い外国人雇用の理解を深めることも検討しましょう。
研修の内容は主に外国人採用の主旨を伝える、価値観や文化の違いについての理解を深める、言ってはいけない言葉の例(特定の国への中傷と捉えられる可能性のある言葉など)、困ったことが起こった際の相談先(上司や人事部など)などがあげられます。

▶参考情報:就労ビザの取り方ついては下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。
就労ビザとは?申請要件を含めた取り方について、ビザ申請に詳しい法律事務所が解説

外国人採用・雇用の手続きについてのお悩み・課題は解決できます

T社長
T社長

今日はありがとうございました。外国人雇用について、在留資格の管理や社内体制の整備が重要だという点が理解できました。一方で、やはり実務対応には不安もあります。先生の事務所でサポートをお願いすることは可能でしょうか。

T社長、本日はご相談ありがとうございました。もちろん可能です。当事務所では、在留資格の確認・申請対応から、雇用契約や社内体制の整備、社会保険手続きまで、一体的にサポートしています。企業ごとの状況に応じて実務を整理し、負担を抑えながら適切に運用できる体制づくりをご支援します。

小野弁護士
小野弁護士

 

この記事では、外国人雇用について、人事部門の皆さまが直面すると思われるお悩みや課題について、解決の手助けになる基本的な知識の概要をお伝えしました。

これらの情報を、皆さまの会社にうまくあてはめて、一つずつ実行していくことで、貴社の外国人労働者の就労ビザ取得をはじめとした採用・雇用の必要な手続きや、採用後の労働環境・条件の整備が適切・適法に行われ、トラブルなく、貴社の皆さまが、日本人も、外国人も、笑顔で、働いていける未来が実現すると信じています。

しかも、頼りになる専門家と一緒に、解決できます!

弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所では、多くの企業様へのご支援を通じて、外国人の採用・雇用についての専門的な法律の実務を得意にしています。

また、オンラインを活用したスピード感のある業務に定評があります。

当法律事務所にご依頼いただくことで、

「外国人雇用に関する法規制や問題点、よくある誤解を正確に理解し、自社に適した対応が分かる」

「在留資格の管理や手続き、採用後の実務フローまで一貫して把握でき、外国人採用をスムーズに進められる」

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「人事・労務・在留資格・雇用保険をワンストップで相談できたことで、社内の管理負担を大幅に削減することができた。」

このようなフィードバックをいただいております。

当事務所では、問題解決に向けてスピード感を重視する企業の皆さまにご対応させていただきたく、「メールでスピード相談」をご提供しています。

初回の相談は無料です。24時間、全国対応で受付しています。

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※本稿の内容は、2026年4月現在の法令・情報等に基づいています。
本稿は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。正確な情報を掲載するよう努めておりますが、内容について保証するものではありません。

執筆者:弁護士小野智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所

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