販路開拓

健康食品の広告表現 合理的な根拠があっても違法になるケースも!?

by 弁護士 小野智博

「朝・昼・晩、1日3回規則正しい食事をとりましょう」。
巷ではそんなふうに言われていますが、実は現在のように1日3食になったのは、江戸時代になってからだといわれています。

とはいえ、仕事で多忙な毎日を送っていたり、生活習慣が乱れたりして、その1日3食が難しい人も多いかもしれません。
回数のみならず、食べる時間や栄養バランスなども、気になるところですね。

そんな忙しい現代人が頼りにしているのが健康食品でしょう。
“ビタミン”、“カルシウム”、“一日分の……”などとパッケージに記載されていると、これを摂るだけで、食生活の乱れに対する罪悪感から救われたりしますよね。

今回は、この健康食品の広告についてお話しします。

 

未承認の医薬品として摘発対象になる!?

新聞や雑誌、ネットなどで見られる“健康食品”の広告表現には、“これを飲めば2週間で10キロ痩せる!”など、ウソとしか思えない過激なものもありますよね。

このように、虚偽の内容が表示された広告については景品表示法や健康増進法などで取り締まっていますが、実は、合理的な根拠のある内容を表示する広告であっても法律違反となる場合もあり得るのです。

それは、『医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律』(旧薬事法/以下、薬機法に抵触する場合です。

「健康食品が薬機法に抵触するの?」と思われるかもしれません。
たしかに、薬機法は医薬品などを対象とする法律なので、一見、健康食品には関係がなさそうです。

しかし、薬機法68条(未承認の医薬品等の広告の禁止)では、『何人も、…医薬品…であって、…承認又は認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない』と規定されています。

そのため、健康食品について以下のように広告すると、当該健康食品が“未承認の医薬品”と判断され、同条に違反するものとして摘発されてしまう可能性があるのです。

・“がんが治る”などの疾病の治療または予防を目的とした広告 
・“新陳代謝促進”など身体の組織機能の一般的増強・増進を目的とした広告

 

広告を掲載した会社も薬機法違反に!?

さらに、この規定の対象となるのは“広告主”だけではありません。
“何人も”と規定されているため、広告を掲載・放映した媒体社なども対象となるのです。

なぜ、このように広範な規制がなされているのでしょうか?

その一番の理由は“消費者に正しい医療を受ける機会を失わせないようにするため”です。

健康食品はあくまで健康な人を対象とするものであり、また、医薬品と比べて製品の質や安定性も確保されていません。
それにもかかわらず、まるで病気が治るかのような広告をすれば、本来病院で治療を受けるべき病気の人が、病院に行かずにその健康食品を服用し、より病状を悪化させてしまうかもしれません。

このようなことから、もしその効果について合理的な根拠があると考えられる健康食品であっても、“医薬品”としての承認を受けていない以上は、その効果を広告することはできないのです。

健康食品はあくまでも医薬品ではないということを、販売する企業はもちろん、一般消費者の立場であっても、理解しておきましょう。

 

※本記事の記載内容は、執筆日現在の法令・情報等に基づいています。

 

 

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