コンプライアンス

販売実績のない商品を割引価格表示すると、景品表示法違反になる!?

by 弁護士 小野智博

消費者を誤認させる価格表示をしたとして、消費者庁は昨年末、衣料品販売業者に対して景品表示法(有利誤認)に基づく措置命令を出しました。

対象となった表示は『POPと称する店頭表示物』や『タグと称する値札』などです。
今回のケースは一体、どのような点が問題となったのでしょうか?

 

 

なぜ景品表示法違反に?

この販売業者は、平成29年6月後半以降に行った“夏期セール”において、Tシャツやパーカーなどの商品に対し、対象商品を店舗の通常販売価格から大幅に割り引いて販売するかのように表示していました。

しかしながら、その対象商品はセール実施前の販売実績がなく、割引率は同社が任意に設定したものでした。
具体的には、これらのセール前に販売されていない衣料品に対して、架空の高い値札が貼りつけられ、そこに対して“40%オフ”と表示されていたのです。

こうした点から消費者庁は、対象商品の取引条件について、一般消費者に著しく有利であると誤認される表示であるとし、

・景品表示法に違反するということを一般消費者に対して周知徹底すること
・再発防止策を講じて同社役員と従業員に周知徹底すること
・今後同様の表示を行わないこと

などの措置命令を出しました。

 

〇〇限定割引も違反になる可能性が!?

このように、通常価格とセール価格を併記する表示を“二重価格表示”と呼びます。

二重価格表示をするためには、通常価格が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」であることが必要であるとされています。
具体的には、セールが行われる前8週間(販売開始から8週間未満であればその期間)のうち半分を超える期間、通常価格で販売した実績があれば、“二重価格表示”ができるとされています。

ただし、その場合でも、通常価格で販売した期間が2 週間未満であったり、通常価格で販売した最後の日から2週間以上経過していたりする場合は、通常価格は「最近相当期間にわたって販売されていた価格」に当たらず、二重価格表示できません。
このような条件を満たさずに二重価格表示をしてしまうと、景表法違反(有利誤認)になります。

このほかにも、例として、さまざまな広告媒体に“初回限定割引”や“期間限定割引”などと表示していながら、実際にはそのような限定を設けずに割引して販売しているような場合もあります。

これらはこれまで何度も措置命令が出されている有利誤認表示の典型的なケースです。
つまり、それだけ販売業者の方にとっても違反しがちな表示ということもできます。

商品の価格表示は、法律を守って定めることが重要です。
ご不明な点があれば、弁護士などの専門家へご相談ください。

 

※本記事の記載内容は、執筆日現在の法令・情報等に基づいています。

 

 

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