外国人雇用マネジメント

飲食業における外国人雇用|就労可能なビザ・雇用時の注意点を解説

by 弁護士 小野智博

目次

少子高齢化の影響もあり外国人雇用への関心が高まりつつあります。しかし、外国人雇用制度や在留資格の種類は複雑であり、外国人雇用を行う際には十分な検討が必要です。外国人雇用のメリットや課題、手順、注意点について飲食業界の人事部・採用担当者の皆さまは、次のようなお悩みがあるのではないでしょうか。

「飲食業で外国人雇用を行うメリットと課題は?」

「外国人が飲食業で働くために必要な就労ビザは?」

「就労ビザを取得する方法は?」

「飲食業において外国人雇用を行う際の注意点は?」

この記事では飲食業で外国人雇用を行う際のメリット・課題から就労ビザ取得の手順、介護業界で外国人雇用を行う際の注意点までを分かりやすく解説します。

飲食業における外国人雇用の現状

農林水産省の調査によると、令和4年10月末時点で、外食業(飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業を含む)に従事する外国人労働者は約19万人で、全産業の外国人労働者約182万人の約10%を占めています 。

また、厚生労働省のデータ(令和6年10月末)では、外国人労働者数は過去最多の約230万人に達し、前年比で約25万人増加しています。

国籍別では、ベトナム、中国、フィリピンの順に多く、在留資格別では「専門的・技術的分野」が最も多くなっています。

また、外国人を雇用する事業所数の産業別割合では、卸売業・製造業に続き、宿泊業・飲食サービス業が14.3%で3位となっています。

飲食業で外国人雇用を行うメリット

近年、日本の飲食業界では外国人労働者の活躍がますます増えています。

外国人雇用は単なる人材補充にとどまらず、職場の活性化やブランドイメージの向上にもつながるメリットもあります。

深刻な人手不足の解消

飲食業界は慢性的な人手不足に悩まされており、若年層の労働人口減少やフルタイム勤務者の確保が難しい状況が続いています。

外国人労働者の雇用は、ピーク時間帯や休日営業など、シフト制の柔軟な対応にもできる可能性があります。

多国籍スタッフによるグローバルな雰囲気の演出

外国人スタッフが接客や調理に携わることで、国際色豊かな雰囲気を演出できます。

とくにインバウンド需要のあるエリアや外国の料理店においては、外国語対応ができるスタッフが店舗の強みとなります。

異文化による新しいアイディアの創出

外国人労働者がもたらす視点や価値観は、メニュー開発や店舗運営に新しい風を吹き込む可能性を秘めています。

たとえば、出身国のスパイスや調理法を取り入れた料理提案や、母国の接客文化を参考にしたサービス改善などが挙げられます。

定着率の高さと真面目な勤務態度

外国人労働者の中には、「日本で働きたい」「技術を学びたい」という強い目的意識を持つ人が多く、真面目に長く働いてくれる可能性があります。

職場環境や待遇を整えることで、高い定着率が期待できます。

企業のイメージアップと多様性の促進

外国人雇用に積極的な企業は、多様性を尊重する現代的な企業として社会的評価が高まりやすいです。

SNSや採用広報でも「グローバルな職場環境」をアピールでき、若者や留学生からの応募が増えることもあります。

飲食業で外国人雇用を行う課題

飲食業における外国人雇用は、単なる労働力確保にとどまらず、職場の活性化や国際化、サービスの質向上に繋がる一方で、文化的背景や制度への理解不足はトラブルの原因にもなるため、制度面・教育面・受け入れ体制の整備が成功の鍵となります。

言葉の壁がある

飲食店ではスピーディーで正確な接客や指示の伝達が求められるため、日本語能力の差が業務遂行能力に直結します。

接客用語や調理用語に慣れるまでは、誤解やクレームにつながるケースもあるため、言語教育やマニュアルの整備が重要です。

文化や価値観の違い

食習慣、時間感覚、仕事観など、日本は一般的とされがちな価値観が通じないことがトラブルの原因になることもあります。

たとえば、宗教的な理由で特定の食材を扱えないスタッフや、上下関係に対する認識の違いなど、個別対応と職場全体での理解が必要です。

在留資格の制約と手続きの煩雑さ

飲食業で働く外国人の多くは、「特定技能1号」または「留学生の資格外活動(アルバイト)」を通じて勤務しています。

在留資格によって就労時間や職務範囲に制限があるため、法的な知識と管理体制が求められます。

特に、資格外活動許可については、週28時間以内と就労できる時間が決まっています。(学生の長期休暇中は週40時間まで可)

この週28時間は、どの曜日から起算しても週28時間以内である必要があるため、厳格なシフト管理が求められます。

週28時間ギリギリでシフトを組んでいる場合、どこかの日で残業をしたら他の日はシフト時間を減らすなどの調整も必要になってきます。

また、資格外活動許可は元の在留資格の要件を満たさなくなった場合は無効になります。

例えば、留学生が退学をした場合は留学生ではなくなるので、資格外活動許可も失効します。

そのため、退学後もアルバイトを続けたい場合は別の在留資格への変更を検討する必要があります。

教育コスト・研修体制の整備

言語や文化の違いを考慮したOJT(職場内研修)やマニュアルの見直しが必要です。研修の手間や教育の進捗管理にはコストがかかりますが、育成後の安定的な勤務を見据えた先行投資と捉える必要があります。

在留期間により長期雇用が難しいことがある

「留学生のアルバイト」や「技能実習生」は、在留期間に限りがあるため、せっかく育てた人材が短期間で帰国するリスクがあります。

長期雇用を見据える場合は、「特定技能2号」や永住を視野に入れたキャリア設計の検討が必要です。

外国人が飲食業で働くことができる就労ビザ

日本の飲食業で外国人を雇用する際には、外国人本人が適切な在留資格(就労ビザ)を持っていることが必要です。

何かしらの在留資格を持っていたとしても、飲食業で働ける在留資格を持っていないかった場合は、外国人労働者は「不法就労罪」、会社は「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。

この「不法就労助長罪」は、会社(代表取締役)だけでなく、人事担当者などの従業員個人レベルでも問われる可能性があるので注意が必要です。

技術・人文知識・国際業務

大学卒業レベルの学歴や専門知識を活かしてホワイトカラー職種(事務・企画職など)に従事するためのビザです。

飲食業では、以下のような業務が対象になります。

  • 外国人観光客向けの プロモーションや広告戦略の企画
  • 多言語対応の メニュー開発やSNS運用
  • 海外展開を見据えた 市場調査やマーケティング

ただし、接客や調理などの現場業務は対象外となるため注意が必要です。

実務の大半が肉体労働や単純労働の場合、この在留資格では就労できません。

必ず、行う業務が在留資格に該当するかを確認するようにしましょう。

▶参考情報:外国人の就労ビザを取得する方法については下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。
技術・人文知識・国際業務ビザで就労するには|業務内容と申請方法について法律事務所が解説

特定技能1号

「特定技能1号」は、2019年に創設された比較的新しい在留資格で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が、即戦力として業務に従事できる制度です。

飲食業は「外食業分野」として対象に含まれており、以下のような業務に従事できます。

  • 調理補助、盛り付け
  • 接客(飲食物の提供)・レジ対応
  • 店舗管理補助、清掃など

就労には「外食業技能測定試験」と「日本語試験(JFT-BasicまたはN4以上)」の合格が必要で、在留期間は最長5年間、更新可能です。

  • 特定技能1号のポイント:
    • 雇用主による 生活支援(住居、行政手続き支援など)が義務
    • 転職は可能だが、同一分野(外食業)内でのみ
    • 家族の帯同は不可

この制度は、現場作業が可能な数少ないビザの一つであり、長期的な人材確保を目指す飲食店にとって非常に有効な選択肢です。

▶参考情報:外国人の就労ビザを取得する方法については下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。
外国人特定技能ビザの申請について|取得の要件とポイントを法律事務所が解説

技能実習

「技能実習制度」は、開発途上国への技能移転を目的とした制度で、飲食業も一部対象職種となっています。ただし、制度の乱用や人権侵害が社会問題となった背景から、2024年以降は「育成就労制度」への移行が進んでいます。

現在の技能実習制度下では、以下のような業務が認められています:

  • 調理(特に和食調理が多い)
  • 食品製造・加工に関連する作業

受入には、監理団体を通した厳格な制度運用が求められ、教育体制や実習計画の整備、報告義務などが必要です。また、原則として転職や職場変更ができないなどの制約もあります。

制度改正により、技能実習制度から「育成就労制度」への移行後は、実習生のスキル向上・定着を目的とした就労制度となり、雇用側にもより高い責任が課せられる見通しです。

身分系の在留資格

「身分系の在留資格」は、日本人の配偶者等や永住者など、日本での生活が認められている外国人が取得できるビザです。このビザを持っている場合、日本での就労に制限がなく、日本人同様自由に働くことができます。

1.永住者

・日本で長期間生活し、一定の要件を満たした外国人に与えられる。

・就労制限がなく、どんな仕事でも就労可能。

2.日本人の配偶者等

・日本人と結婚した外国人が取得できるビザ。

・就労制限がなく、どんな仕事でも就労可能。

3.永住者の配偶者等

・永住者や特別永住者の配偶者が取得できるビザ。

・就労制限がなく、どんな仕事でも就労可能。

4.定住者

・日系人や特別な事情がある外国人が取得できるビザ。

・就労制限がなく、どんな仕事でも就労可能。

資格外活動許可

「資格外活動許可」とは、本来の在留資格で認められていない活動(就労)を一定の条件下で行うことができる許可のことです。主に留学生や家族滞在ビザを持つ外国人が、アルバイトなどの形で働く場合に必要になります。

ただし、週28時間以内という制限(どの曜日から起算しても週28時間以内であること)があり、キャバクラ、パチンコ、ガールズバーなどの風俗営業は禁止されています。

◆主な取得対象者

・留学生(日本の大学・専門学校に通う学生)

・家族滞在ビザの配偶者や子ども

※なお、大学を卒業した留学生が就職活動を継続するために得る「特定活動」という在留資格では、条件付きで就労が可能な場合もあります。

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飲食業で働くための就労ビザの取得手順(日本国内で転職する場合)

日本国内において飲食業で外国人雇用を行う際の就労ビザの取得手順について説明します。

在留カードを確認する(内定時)

内定時に在留カードを確認します。

在留カードは必ず原本を提示してもらうようにして、コピーを取ります。

在留カードが本物かどうか確認できるアプリも利用すると安心です。

▶参考情報:在留カード等読取アプリケーション サポートページ | 出入国在留管理庁

雇用契約を締結する

就労ビザを取得するためには、まず正式な雇用契約を結ぶ必要があります。

ビザ申請時には、労働条件が明確に記された雇用契約書を提出する必要があるため、事前に適切な雇用契約を締結しましょう。

◆雇用契約書を締結する際のポイント

・職種、業務内容を明記する

・給与、勤務時間、福利厚生を明記する

・契約期間を明記する

在留資格変更許可申請をする

雇用契約を締結したら、外国人労働者の住所地を管轄する出入国在留管理局に、「在留資格変更許可申請」を行います。

通常は外国人労働者本人が行いますが、弁護士や行政書士に任せることもできます。

◆主に企業側が用意するもの

・在留資格変更許可申請書

・会社概要が分かる資料(決算書、会社のパンフレット、履歴事項全部証明書等)

・雇用契約書(労働条件通知書)

◆主に本人が用意するもの

・履歴書、職務経歴書

・最終学歴の卒業証明書、実務経験を証明できるもの

・パスポートと在留カード

在留資格変更が許可される

在留資格変更許可申請をしてから約1~3ヶ月ほどで在留資格変更許可申請が許可されます。申請する就労ビザや場所、時期にも影響されますが、1か月強かかること が多いです。

採用が決まったらすぐに申請の手続きを行えるよう準備しましょう。

就労開始

在留資格変更が許可されてから就労開始します。

飲食業で働くための就労ビザの取得手順(海外から外国人を呼び寄せる場合)

海外から外国人労働者を呼び寄せる場合の就労ビザの取得手順について説明します。

雇用契約を締結する

就労ビザを取得するためには、まず正式な雇用契約を結ぶ必要があります。

ビザ申請時には、労働条件が明確に記された雇用契約書を提出する必要があるため、事前に適切な雇用契約を締結しましょう。

◆雇用契約書を締結する際のポイント

・職種、業務内容を明記する

・給与、勤務時間、福利厚生を明記する

・契約期間を明記する

在留資格認定証明書交付申請をする

雇用契約を締結したら、企業の所在地を管轄する出入国在留管理局に、「在留資格認定証明書」の交付申請を行います。

通常は企業が代理で行いますが、弁護士や行政書士に任せることもできます。

◆主に企業側が用意するもの

・在留資格認定証明書交付申請書

・会社概要が分かる資料(決算書、会社のパンフレット、履歴事項全部証明書等)

・雇用契約書(労働条件通知書)

◆主に本人が用意するもの

・履歴書、職務経歴書

・最終学歴の卒業証明書、実務経験を証明できるもの

・パスポート

在留資格認定証明書が交付される

申請から1〜3か月程度で、在留資格認定証明書が発行されます。

申請する就労ビザや場所、時期にも影響されますが、東京だと2か月強かかることが多いです。

採用が決まったらすぐに申請の手続きを行えるよう準備しましょう。

在留資格認定証明書を本人に送付する

在留資格認定証明書が交付されたら、すぐに外国人労働者本人に送付します。

本人が在外日本公館でビザを申請する

外国人労働者本人が在留資格認定証明書を受け取ったら、すぐに日本公館へ行き、ビザ申請を行います。

在外日本公館でビザが発給される

申請内容に特に問題がなければ5営業日ほどでビザが発給されます。

来日する

パスポートとビザ、在留資格認定証明書を持って日本に入国します。

なお、在留資格認定証明書の有効期限は3ヶ月です。

在留資格認定証明書が交付されてから3ヶ月以内に日本に入国しなければなりません。

そのため、在留資格認定証明書が交付されたらすぐに外国人労働者本人に送付するように徹底しましょう。

就労開始

在留カードを得てから就労開始します。

なお、在留カードは必ず原本を提示してもらうようにして、写しを保管しておきます。

▶参考情報:外国人の就労ビザを取得する方法については下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。
外国人の就労ビザを取得する方法|ビザ申請に強い法律事務所が解説

不許可になった場合の対処法

外国人労働者の増加に伴い、不法就労問題も増えてきました。

そのため、就労ビザの審査は年々厳しくなっており、不許可になる可能性もあります。

再申請する

不許可になった理由が、書類の不備や申請内容に誤解が生じてしまったなどすぐに解消できる場合であればすぐに再申請を行います。

場合によっては理由書や上申書などを付けた方が良いケースもありますので、弁護士や行政書士に相談の上再申請すると安心です。

一度母国に帰国する

就労ビザの申請が不許可になっても、在留期間内であれば何度でも再申請することができます。

しかし、一回不許可になっている以上、その理由が解消されない限り許可されることはありません。

また、何度も再申請を行うことで申請手数料がかさんでしまいます。

不許可になった理由が、在留態度が悪いと思われたなどすぐに解消することが難しい場合は、一度帰国した上で在留資格認定証明書交付申請を行う方が良いこともあります。

在留資格認定証明書交付申請の際には相当性(過去の在留態度など)は審査対象になりません。

不許可になった場合は弁護士や行政書士に今後の流れを相談することをおすすめします。

飲食業で外国人労働者を雇用する際の注意点

外国人労働者を飲食業に受け入れる際には、在留資格や生活支援、職場環境整備など多面的な配慮が求められます。
特に飲食業は接客・調理といった対人業務が多く、外国人スタッフの能力を最大限に引き出すためには、以下の点に注意が必要です。

在留資格の確認を行うこと

外国人を雇用する際には、必ず在留カードを確認し、就労可能な資格かどうかをチェックしましょう。

「技術・人文知識・国際業務」「特定技能1号」など、飲食業で就労可能な資格であることを確認し、不法就労にならないようにする必要があります。

  • 在留資格の種類によって、就ける業務の範囲が異なる点に注意する
  • 在留期限の管理も重要(更新漏れに注意)

また、直属の上司や同僚が勝手に在留資格で認められていない仕事を依頼しないよう指導することも重要です。

当人に全く悪気はなかったとしても、「ちょっとこれもやっておいて」と依頼したことが、実は在留資格では認められていない仕事だったということも十分あり得ますので注意が必要です。

外国人労働者の在留資格や在留資格で働ける内容、在留期限などをまとめた一覧を作成しておくと便利です。

社内コミュニケーションのサポートを行うこと

外国人労働者が職場にスムーズに馴染むためには、日本語力や意思疎通の支援が不可欠です。

  • わかりやすい言葉・身振り手振りを意識した指導を行う
  • 通訳アプリや翻訳ツールを活用する
  • 定期的な面談や相談の場のもうける

業務指示や職場のルールが正確に伝わらなければ、トラブルやミスにつながるため、社内の多言語対応力を高める工夫が重要です。

文化的な違いの理解と対応を行うこと

宗教、価値観、食習慣、挨拶の仕方など、国の文化的な違いによる誤解や衝突が生じることがあります。

たとえば以下の事例があります。

  • 豚肉やアルコールを扱う業務を敬遠するムスリムの従業員
  • 目上の人に対する態度や上下関係の感覚の違い

こうした違いを理解し、事前に相互理解を深めるオリエンテーションやマニュアル整備が求められます。

▶参考情報:外国人の就労ビザを取得する方法については下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。
外国人従業員とのトラブルを回避!差別につながる言動と対応策について弁護士が解説|ビザ申請に強い法律事務所が解説

労働契約と就業規則の明確化を行うこと

外国人労働者にも、労働条件・業務内容・ルールなどを明確に伝える必要があります。

  • 労働契約書はできるだけ母国語や英語でも併記する
  • 就業規則やハラスメント対策を説明する機会を確保する

曖昧な労働条件は、トラブルや不満の原因になります。書面と口頭での詳細な説明をセットにしましょう。

文化・宗教への配慮を行うこと

宗教的な慣習(礼拝の時間、断食、服装など)や食文化への配慮は、外国人従業員の信頼と満足度の向上に直結します。

業務上、どうしても配慮が難しいことであっても、「できません」と突き放すのではなく、相手の文化であることを尊重した上で、配慮が難しい理由を丁寧に説明するよう心掛けましょう。

  • ハラール・ベジタリアン対応の食事
  • 休憩時間の調整(ラマダン時など)
  • 宗教的な装飾や服装への理解

労働法を遵守すること

外国人労働者も日本の労働者と同様に、労働基準法や最低賃金法の適用対象です。

  • 適正な報酬の支払い(割増賃金・残業代含む)
  • 労働時間、休憩、休日の管理
  • 社会保険の適用確認

外国人だからといって特別扱いは許されず、違法な労働条件が発覚すれば罰則や信用失墜にもつながるため、注意が必要です。

特に飲食業はシフト制や変形労働時間制など複雑な勤務体制であることが多いので、より丁寧な説明が必要になります。

定着支援とキャリア形成の意識を持つこと

外国人労働者を単なる労働力として考えるのではなく、中長期的に活躍してもらうための以下のような支援が必要です。

  • キャリアパス(昇格、正社員登用)を提供する
  • 資格取得や日本語学習の支援を行う
  • フィードバックや評価制度の導入

特に飲食業は毎日同じことの繰り返しという感覚に陥ってしまう方もいます。

その中でフィードバックや評価を行ったり、キャリアアップできる未来が見えると離職率の低下やモチベーション向上にもつながります。また、外国人労働者にとって働きやすい環境を整えることで、新たに採用を行いたい場合に外国人労働者からの紹介を受けられる可能性もあります。

住居や生活支援の整備を行うこと

多くの外国人は日本での生活に不慣れであり、以下のような生活面の支援を行うことで定着率が上がる可能性があります。

  • 住居の確保・契約のサポートを行う
  • 公共手続き(住民票、保険、銀行口座)の案内をする
  • 生活ルール(ゴミ出し、防災、交通マナーなど)の指導を行う

場合によっては登録支援機関や行政書士、地域のNPOなどと連携して支援体制を整えるとよいでしょう。

▶参考情報:外国人の就労ビザを取得する方法については下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。
外国人雇用で失敗しないために!採用時の注意点を法律事務所が解説|ビザ申請に強い法律事務所が解説

外国人採用・雇用の手続きについてのお悩み・課題は解決できます

この記事では、飲食業において外国人雇用を行う際のメリットと課題や就労ビザの申請手順、外国人雇用の際の注意点について、飲食業者の皆さまが直面すると思われるお悩みや課題について、解決の手助けになる基本的な知識の概要をお伝えしました。

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※本稿の内容は、2025年5月現在の法令・情報等に基づいています。
本稿は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。正確な情報を掲載するよう努めておりますが、内容について保証するものではありません。

執筆者:弁護士小野智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所

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